歯科医療、崩壊が始まっている??

歯科に関する面白い記事があるので、興味がある患者さんは一度目を通していただきたい。

崩壊が始まっている歯科医療 将来、治療を受けられなくなる地区はどこ?

概ねこの記事で語られていることに私は同意する。(金儲け主義に走らざるを得ない〜の行の部分は除く)

私のような吹けば飛ぶような弱小歯科医院は、患者さんに過剰なほどのサービスを持って報いることはできない。

今更、保険診療の欠点に関してあれこれ言及するつもりはないが、私は帰国後この制度に頼って診療するつもりは金輪際ない。

保険診療は全国一律同じ金額であり、その治療費は不当に低く設定されている。

国家が財政難の昨今、医療制度の劇的改善・消費税の大幅UPなくしてこの状況はもはや破綻するまで(もう破綻していると言われているが)変わらないだろう。

恐らく、このHPにたどり着いた患者さんは何かしら治療に対して不安や不満を抱いている人が多いだろう。

  • (歯科医師からの)説明が少ない
  • 何時間も待たされる
  • 〇〇をしてくれない・〇〇を使ってくれない

etc…

以上のような疑問をあなた方が歯科医師にぶつけると、恐らくよろしくない反応(煙たがれているような反応?)が帰ってくるだろう。

そう、我々日本の歯科医師にはそんな時間はないのだ。

説明する時間があるなら患者さんの治療が必要であり、さもなければ医院は潰れてしまう。

何時間も待たされるのは、より多くの患者さんを見ないと成り立たないこのシステムで、夕方などの時間帯は患者さんでごった返すからだ。交通渋滞のようなものである。いや、でも予約を取ったのに待たされるのは??それは前の患者さんが伸びたり、患者さんが遅刻するとそのように交通渋滞になってしまう。従って、あなたは待たされるのである。

よく患者さんのうったえで、あそこはラバーダムを使用してくれなかった、マイクロスコープを使用してくれなかった、というものがあるが、そのようなものを使用して治療すれば、医院は赤字である。なぜならば治療に時間がかかるからだ。そもそもそうした道具を”保険診療のために”導入する先生などほぼ皆無である。

例えば、私が働いていた東区原田のまつうら歯科医院では、すべての患者さんに自腹を切ってラバーダムを使用していた。しかし、どれほどの患者さんがそれに対してありがたみを感じていただろうか?それを用いて患者さんが増えたということもないし、治療に満足を覚えたという話も聞いたことがない。

私は、歯科治療とは命に関わる治療をすることがない分野であるから、何を持って患者さんにこの治療の価値を伝えるのが最良か?と考えると、やはり良好な結果・長期的な予後を提供することだと考える。

そうした目標を達成するには、十分な治療時間は欠かせない。

例えば、勤務の頃、大臼歯の抜髄〜根充までを30分でできるか?と聞かれたことがあった。

今となってはこの質問自体が、”crappy”そのものであるが、それは致し方がない。

我々も生きていかなければならないからである。

我々にも守るべき家族がいる。

あなたが格安の医療費で良い治療を得るために私たちは土曜も日曜も祝祭日も家族を切り捨てて、遅くまで”生きていくために”歯科医療を提供しなければならないのだろうか?

私にはそう思えない。

さすればいかに治療を短く、効率的に行うかを考えて当然であろう。

しかし、この方式は残念ながら歯科治療という命の関わり合いがない医療分野には馴染まない。

時間をかけて丁寧にやる治療が必ずしも長期的な予後を提供するとは限らないが、長期的な予後を求めて治療するためには短時間診療はありえない。

このように考える先生が、少なくとも私がブログを始めた10年前にはほとんどいなかった気がするが、最近の先生は考え方が変わってきている。

特にいままで虐げられてきた、保存修復・歯内療法分野の目をみはるほどの技術革新・治療技術の進歩はもはや現代の日本の医療制度では完全に追いつけなくなっている。

あなたの歯の定期管理を任せられる歯科医院をまずは見つけよう。

あなたが補綴物を装着しているのであれば、インプラントを持っているのであれば、頻繁なチェックアップはもはや欠かせないだろう。

しかし、基本的に疾患のない定期管理は予防であり、自由診療である。そこを患者さんは理解する必要がある。

保険診療で予防処置は原則受けられない。

そして、もしあなたの歯に何かあったら、あなたのかかりつけ医を責めるのではなく、

何がこの問題を引き起こすきっかけになったのか?

この問題をクリアする方法はあるのか?

その他の治療のオプションはあるのか?

治療費はいくらかかるのか?

治療の後にケアしなければならないことは何か?

を歯科医師と十分に話し合い、治療の筋道を決めることが肝要である。

歯科医療、崩壊が始まっている??」への3件のフィードバック

  1. 谷口先生、コメントありがとうございます。
    国は歯科がどうなろうとどうでもいいと思っているとしか僕には思えません。悲しい話ですが。。。
    カナダだと医科は保険制度に従ってプラクティスしないといけないですが、歯科はそうでないので優秀な学生が集まると同級生に聞きました。日本の歯科医療が良くなるためにはドラスティックな改革なくしてありえないと思いますが、もうそれをどうこうしようという意欲はないですね(笑)。ファイバーポストコアが保険適用になるんですか?恐らく脱離が増加するでしょうね。。。

  2. 先生のおっしゃる通りですね。
    ファイバーコアが保険適応になったり等々、国の方向性の意図を示してほしいものです。
    また、お暇なときにでもメッセンジャーの返信おまちしてますね【笑】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。